畳表の見分け方
経糸(たていと)について
畳表も通常の織物と同じように糸を使って織りあげていきます。この糸のことを「経糸(たていと)」と言い、使う糸の種類によって畳表のグレードが変わります。
つまり、「糸の強度」×「糸の本数」により、畳表の強度(踏んでねじるような動きへの耐久性)が増します。
一部例外はありますが、基本的には以下の通り上から順に、最高級品から普及品に分類されます。
麻ダブル | 麻糸2本ずつ、計4本使って織りあげた最高級品。 このタイプの畳表は珍しい。 |
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麻綿ダブル | 麻糸と綿糸を各1本ずつ、計4本使って織りあげた高級品。 |
麻引き | 麻糸を1本ずつ、計2本使って織りあげた畳表。 |
綿ダブル | 綿糸2本ずつ、計4本使って織りあげた畳表。 |
糸引き | 綿糸1本ずつ、計2本使って織りあげた畳表。 |
麻ダブル
麻綿ダブル
麻引き
綿ダブル
糸引き
髭(ひげ)の長さについて
基本的に、長いいぐさを使って織りあげた畳表の方が、いぐさの中央部分を中心にした上質な部分をふんだんに使えるため、高級品とされています。
特に「1番草」と呼ばれる最も長くて美しいいぐさで織った畳表は最高級品とされています。
いぐさは、長くて美しいものから、1番草、2番草、3番草…というふうに選別されています。
産地について
畳表にはその産地での厳しい品質基準を満たしたことを示す検査印が押されています。写真は「備後表」という広島県産の畳表です。
ただ、最近では広島県備後地方でのいぐさ生産量が減少していることもあり、国産畳表のほとんどを担う熊本県から仕入れて、生産している備後表もあります。
畳表の主な産地と特徴は、以下の通りです。
熊本県 (肥後表) | 国産畳表のほとんどが、熊本県産の肥後表になります。その中でも「ひのみどり」といういぐさを使った畳表は、国産全体の55%程のシェアがある人気の畳表です。 |
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広島県 (備後表) | 古くからその品質が高く評価され、高級品としての地位を確立している畳表です。年数が経つにつれ黄金色(美しい飴色)になることも特徴です。 |
大分県 (琉球表) | 施工例でもご紹介している畳表です。主に「七島イ草(しっといぐさ)」を使った畳表のことで、一般的な畳表に比べ耐久性があり、上級品として扱われています。刈り取り後に泥染めせずに乾燥させて織りあげるもの特徴です。 |
中国 (四川) | 近年、その生産量が急激に増えているのが中国産の畳表です。四川省などを中心に広大ないぐさ畑から大量の畳表を生産することが可能なため、普及品としての重要が高いです。 また、中国でも安価な産地はありますが、当社では四川省の良い品物のみ扱っております。 |
◆畳表替えメニュー
ランク | 表替え価格(税別) | コメント |
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特別最高級品(極上) | 35,200円 | 耐久性、美しさ、格調の高さとも逸品 |
最高級品 | 25,300円 | 当社自慢、こだわりの畳表 |
高級品 | 19,800円 | 丈夫でしっかり厳選された品 |
特級品 | 16,500円 | いぐさがぎっしりと詰まった満足度の高い品 |
上級品 | 14,300円 | 品質、仕上がり間違いなし |
中級品 | 11,000円 | 当社で一番売れている品 |
並級品 | 8,800円 | お買い得品です |
普及品 | 6,600円 | お手頃価格です |
裏返し | 4,400円 | 五八サイズの関東間 |
畳表の製織工程
1.植え付け
8月に苗床に植え付けられた苗は、11月下旬に株分けを行い、12月上旬より田植機によく似たいぐさ移植機を使って植え付けを行います。
2.先刈り
翌年の5月上旬、根元まで日光がよく当たるようにいぐさの先端を刈り払う作業を行います。
この作業により新芽の発芽を促し、最終的に収穫の45日前くらいに発芽した新芽が、長くて高品質のいぐさになります。
3.収穫
6月下旬から7月中旬にかけて、成長の状態を見ながらよく生育したいぐさを刈り取ります。
刈り取りは、気温が低い早朝や夕方に行います。
4.泥染め・乾燥
刈り取られたいぐさは、その日のうちに天然染土で泥染めし、乾燥機を使って乾燥させます。
この作業により、いぐさ独特の色や香り、光沢が出るだけではなく、表面の酸化を防ぎ鮮やかな色を長く保つことができるようになります。
5.選別
いぐさをよく乾燥させた後、製織する畳表にあわせて、長さごとに選別します。
6.製織
選別したいぐさを、傷や太さをチェックしながら、畳表へと織りあげていきます。
7.仕上げ
製織した畳表を、一枚一枚ていねいに織り傷などがないかチェックし仕上げを行います。
この厳しい品質管理をクリアした畳表のみが、全国へと出荷されていきます。